プレタ用

@pure_taa

日記_つぶ貝の話

※最下部にカエルの写真があります

 

 

 

 

昼に魚屋で生きたつぶ貝が売られているのを発見した。

ベージュに黒い点々のついた地味な色のアメフラシが立派な殻を背負っているような感じだ。白いスチロールの底にぺたりとくっついて身体を伸ばしている。わりと大きい。ツノらしきものも見える気がする。

「こっちの(もう身が出てる)やつじゃなくていいの?」「どちらでもいいのですが、どっちがおすすめですか?」「こっち(生きてるほう)は高いよねぇ」「あぁー、でも生きてるの初めて見たのでこっちがいいです」というやりとりをして、つぶ貝をお刺身にしてもらう。バキバキと殻を割る音がした(ほじくり出す感じじゃないんだ。)

持ち帰ってすぐ食べる。美味い。寿司もよいが刺身が好きだ、味がよくわかる。食べてみると結構量があって、身1つを一人で食うとこれ以上貝を食うとやばそう、という感じがした。贅沢だ。

食べている途中で、いま生きているからこちらのほうが美味いだろう、という判断が間違っていなかったと確信すると同時に、その考えをすんなり出す自分に空恐ろしさを感じた。活きがいいからという理由で、でかい何かに踊り食いされる自分を想像する。自分の死後の行き先を貝にジャッジされたら地獄行きだ。

あさりも買って、夕方まで砂出しをして白ワイン蒸しにした。砂出しにはちみつを入れると美味くなるというのを試したかったのだ。それが効いたかは分からないが美味かった。また自分は地獄行きだ。

今あらためてつぶ貝を検索したら、やっぱりかわいいなーと思った。魚屋のケースの中で、きょときょとと触角のようなものを動かすつぶ貝を見た一瞬、「工夫すれば飼えるし情が湧くこともあるだろうな」と思ったことを思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

家に帰り、レインコートを脱いで廊下に置く。他の荷物を片付け風呂を沸かし、レインコートを仕舞おうとするとその上にアマガエルが居て思わず声を上げた。連れ帰った覚えはまったくない。家の駐車場から玄関までのあいだのどこかで引っ付いてきたのだろう。

蛙は好きだ。じっとしているので、写真を撮らせてもらったあと、外に逃がした。毒があるからとよく手を洗った。アマガエルを食う気にはならない。毒のこともあるけど、多分、食べるより先に可愛がったから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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レインコートの上の蛙