プレタ用

@pure_taa

つくばメディアアートフェスティバルへ行ってきました

www.city.tsukuba.ibaraki.jp

 

 

つくばメディアアートフェスティバルへ行ってきました。かなり面白かったので感想まとめてみます。

 

 

 

・クオリティが高い

 今回は学生の公募作品が多かったようですが、学生作品とは思えないクオリティのものが多数出展されていました。これ東京で出してもかなり面白がられるのでは?と思うものもしばしば。つくばはこの学生のポテンシャルを生かすべきです。むしろ東京から人を呼ぶ、くらいの気概でいってほしい。

 

・お客が少ない、ので説明をゆっくり聞ける

 これは行ったのが平日の昼間だということもあったのですが、スカスカでした。もったいない気もしたけど説明がたくさん聴けてとても満足です。欲を言うなら、来年以降も続く程度にお客さんに来てほしい。面白いのに来ないのは勿体ないという気持ちと、近年のメディア芸術祭ばりに来られても疲れるという気持ちが半々です。

 チラシもとてもしっかり作られているので、来ている人数にギャップがありました。Q't(つくば駅近くのショッピングモール)には若いお客さんがわりと来ていたので、近場で無料だとここから引っ張っていけそうではあります。

 

・体験型の作品が多い

 触って組み合わせる作品や乗って楽しむ作品が多く、子供の食いつきが良い。私の食いつきも良い。意図せず自分の何かを引き出してくれる、目の前に表してくれるものはやはり面白い。これぞメディアアート、という感じ。

 

・会場のつくり

 光を利用した、薄暗い中で体験できる作品がいくつかあり、それらが一か所にまとめられていた。光を用いた作品が部屋の中に閉じ込められていないのは意外と東京では難しいのではないか。(東京のイベント会場はスペース的な制約があり、暗い中で体験できるものは別室に隔離する必要がある)

 これはこれ以上作品が増えると難しくなりそうだし、出展作品の内容にもよるので運によるところだろうが、見ていて気持ちが忙しくならずによかった。

 

 

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以下、特に面白かった作品について感想を雑多に。

久しぶりに書きます、とハードルを下げておこう。

 

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コロガエル

 

www.youtube.com

 

おおー動画がある。

かなり完成度が高くて驚いた作品です。面白い上にかわいくてお気に入りです。

ちょっといじればすぐお店に並べられそうなくらいにフォルムが完璧です。今の学生さんと技術の進歩って本当にすごいですよ・・・

「転がすと音が鳴るんですよ」と説明を受けた瞬間からの「とりあえずドレミファソを鳴らしてみる」、すると「ドレミ・・・かえる・・・これはかえるのうたが演奏できるのでは・・・!?」という、あたかも自分が天才かのように思えた瞬間も、完全にデザインした人の意に沿っててしてやられたわーと帰り道で思いました。デザインの面白さってこういうことだなーと思います。うまい!

すごく気に入ってるので色々考えちゃうんだけど、これを使った遊びに幅をもたせられれば買う人結構いるかも。なんだろう、オリジナルゲームのコマとかでもいいし、ハンドベルくらいに楽器として使えると強いんだけど。何がしかの癒しに特化しても良い気もする。ガチャガチャとか、携帯のストラップとかでありそう。

 

 

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ディアビークル

 

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これも動画がある・・・すごい

10年後のゲーセンにはこれがあるでしょう。ゲーセンにあるガンダムの卵型のやつに乗ったことが1度だけあるけど、それと明らかに違うのは体感する動きの主導権が自分にないことかな。

動きの主導権が自分にないということは基本的に恐怖なので、いかに「ここはそういう驚きを体験する安全な場所ですよ」という表現をすることが重要になると思う。つまりジェットコースターなわけだ。スリルを味わうものに向きそうですね。

自分が小さくなったような体験というと、ディズニーランドのミクロアドベンチャー(今はもうないのか・・・)を久しぶりに思い出します。あれは4DXの先駆けということになるのですね・・・。あれはにおい、風を使った触感、霧などがあったかな。

早くこれを使ったオンラインゲームがしたいです・・・草原を歩いたら草原の香りがするとか、馬で駈けたら風が顔にあたるとか、滝の近くに行ったらマイナスイオンが出るとか何でもいいのですが。

画面を曲面に投影するとどうしても解像度が荒く見えたりするので、歪みを直したりする技術に金鉱が隠れていそうな気がしますね。HMDの方が表現力は強いかな?HMD繊細で高価なものを一応密室で渡していいのかという不安もあるので、ゲーセンではプロジェクター投影が主になりそうですね。

 

 

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ヒカリツミキ

 

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こ、これも動画がある。

これは説明を聞いてさらに面白かったのだけど、赤外線と赤色照明(LEDだったかな)を利用しているようだ。やはり光と色のちからは大きい。子供のくいつきがとても良い。すごく雑なまとめかただけど、子供にうけるギミックは頭に新鮮で何歳にでも良いものだ。充電器もすごくかっこよかったのが印象的。ブロックへの印刷もきれいだった。

塾やなんかの休憩所に置いたりしたら子供の気分転換になるんじゃなかろうか。

簡単なプログラムがすぐ作れるブロックというのはたまに見るけれども、やっぱり「動いている」というのがいろんな形で視覚的にわかるのは大事ですね。

質は違うけどマイクラとかもこんな感じなのかなぁと思った。

組み立てる作業に手間がかかりそう。いっそキットとして半完成品を発売したらどうだろうかと思う(そういう場合はたいてい充電器を高く販売する、気がする。)

 

 

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HEARTBEAT MUSIC

 

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これは動画がないので写真で。が、画質が悪い。

心拍数が音階に変換され、指にまきつけるだけで他人とその場だけの曲を作れる作品です。ロマンチック!

この機械が横にずらっと並んでいるのですね。

これ強く思うのですが婚活パーティに売りこむべきですよ・・・これを置けばちょっと暗い中でやる必然性が出てくるしモチーフはハートだし、完全に主人公が私たちなのに参加しつつ会話ができるしリアルタイム生成で複雑な音楽になるのがちょっとロマンチックでもあるし。ただ良く考えたら私は婚活パーティに行ったことがないので暗いと問題があるかもしれませんがそこは分かりません。とにかく初対面に近い人が、なんらかの目的をもって集まる場所に置くと盛り上がりそうです。

遊ぶデザインはこれくらいシンプルな方が好感が持てます。あんまりごついと視覚的に邪魔になる。見て分かれば良い、というのも動きのある作品の特権ですね。

自分の何か要素を音楽に変換するメディアアートは、種類がたくさん出ても飽きないかも。

この作品の名前をぐぐると完全に他の人の音楽がピックアップされてしまうのが、広がりを持たせる時の邪魔になるんじゃないかと懸念。かなり好きな作品なので。

 

 

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Realize Virtuality

 

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VRなのでこの写真ではほぼ何も伝わりませんね。

「現実とVRの境目があいまいになる」という、危機感にも似た違和感を扱った作品はスリルがあって好きです。この作品もそれ。

90年代初頭の3DCG風なバーチャルな美術館を体験して、「すっきりとした」「そぎ落とした」美術館と表現できるということは、結構すごいことかもしれない。実際にはまったく別物であるのに、頭の動きが視界に反映されるだけで同一であると判断しているわけだから。逆に、頭の動きが全く視界に反映されないだけですぐ気が狂うだろうなーと思った。一度素晴らしい体験でVR世界に没入させておいてから、視界を徐々にいじくったらやばいことができそうですね。

あと全く関係ないけどここでお話しした学生の方がとても話しやすかったのでお話できてとても嬉しかったです。工学(できること)と芸術(表現したいこと)を繋げられたら楽しいですねというような話。

 

 

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他にも色々あったのですがここまでで結構時間食っちゃったのでこれにて。多分あとから思いついたことを追記したりもすると思います。特に関連しそうな作品の名前が、固有名詞が出てこない・・・

Vital+Morphの、心臓とその鼓動を手に握る事ができる媒体(言い表しようがない)は是非手にとってみたいです。心臓音のアーカイブはボルタンスキーだっけ?直島のカウンターも、個人の唯一無二の何がしかのタイミングを再生するという点でも共通点がありますね。ダメだもう全然出てこないわ。

 

今まとめていて、これだけのクオリティの動画がすぐ観られるってすごいことだなぁと思いました。あと3Dプリンターもすごい。よく考えればこのかたちでパソコンが使えるということも十分にすごいことなのだけれどももう普通のこと。アートというからには、その「普通」になりそうでまだなっていない、少し前のものを体験したいと思います。

 

 

とても面白かったです。来年もやるかな?やってほしいなぁ。

 

 

つくばメディアアートフェスティバル 2016

2016/11/26~12/4